引越し日和のように空は雲ひとつなく晴れていた。




朝目覚めると日曜日になっていた。









you








うちにはヒロのお母さんがあいさつに来ていた。



ちゃん!」



「おばちゃんどーしたんですか?」



「ヒロがね朝からいないのよ。もうすぐ出発なのにねぇ」




「私探してきます」




「いいの?」



「ヒロの居場所ならわかりますから」



そう言うと、私は靴を履き自転車のペダルをこぎ始める。

多分ヒロがいると思われる場所へ。

あの春になるとタンポポでいっぱいになる場所。




いっぱい遊んだよね?小さい頃は。

そんな想いはなくて。普通に話せて。




今は辛い。








その場所につくと、やっぱりヒロは居た。


寝そべって空見てた。





「ヒロー!!」


「お・・おう。ってかなんでここに?」



「おばちゃんが・・・ってか、金曜日はゴメン!!なんか心にもないこと言っちゃって」




やっと素直な自分が出せた。なんだかちょっぴり恥ずかしい。



「いいよ」


「ってか隣お邪魔しまーす」



隣に私は寝そべる。




私は久しぶりにヒロの顔をじーっと見つめる。

いつの間にこんな大人っぽくなったんだっけ?




「な・・なんだよ」



「ん?えーっと・・・えっと・・・」



「日本語おかしー」



「ヒロに言われたくないしー」



「で?」










「好きです」








ずーっと言いたかった言葉。なんかそんな自分に笑えてきて涙もこぼれてきた。


本当は恋心目覚めてからずーっと好きです。




こんな私を思いっきり振ってください。







気付いたら私は立ち上がって



「ごめん」


と一言残してた。





次に気付いた時にはヒロの腕の中に居た。


涙あふれてるのに拭えなくて。


いつの間にか腕の中で泣き叫んでいた私。






「俺も」




ヒロは笑ってた。




「今ごろ・・・言わないでよっ」



自分も今ごろ言ったくせに。ヒロにあたってた。

バカ。




「幼馴染って壁乗り越えられなかった」



ヒロはそういうと悲しそうな顔をしてた。



「次会う時はもっとすっげー男になるからさ。のこと迎えに来る」



「じゃあ待ってる」




そう言って私は今できる最高の笑顔で笑った。


その日ヒロは遠いところに行ってしまった。












5年後・・・・
あなたはテレビの中で笑ってて。
私は別の人の腕の中に包まれてる。

これが2人の幸せだったのかな?


今でもわからずに居た。











06.4.4
きっと思い出の一部になったんだ。