「升〜酒飲もぉ〜〜〜〜」






カノジョの涙





は電話越しで、ヒックヒック言っている。





「まぁーた、何かあって飲みすぎた??」



「飲んでないケロ?今、升のマンションの前のコンビニだから迎えに来てね。ばぁぃ」



言葉がおかしい。普段はぜってーぇ使わない言葉だなぁ・・と思いつつも、


外に行く準備をする。 俺は少し寒い外に出る。


2月ってゆーのに、少し暖かい。









コンビニの駐車場に行くと、そこにはたしかにが座っていた。どうやらこちらには



気づいていないらしく、ケータイを見て音楽を聞いていた。




「よぉ、久しぶり・・・ってか大丈夫か??」



は泣いていた。大粒の涙をこぼして。



「うわっ。うわっ。見たなぁ・・」


強がっているけど涙は隠せないらしい。



「升・・・うぁ・・・うぁ・・うわぁ〜〜ん」



が抱きついてくる。そして声を出しながら泣いていた。




俺が「近所迷惑だろう?」って言っても泣き止まないので、強制的に俺の部屋に連れて



行くことにした。












家に帰っても泣いていた。そうとうためていたらしい。30分くらいたつと少しずつ




「うわぁ〜ん」とは泣き叫ばなくなった。






「升・・ゴメンネ」





「その涙と鼻水ふけよ」



俺はティッシュを箱ごとポンっと投げる。


気持ちが落ち着いてきたのか、は少しずつ口を開く。




「彼氏のね、浮気してるとこを見ちゃってね」


「うん」


「3度目でね」


「うん」


「もう、いやだよあんな男」



・・だったっけ?」



「名前も聞きたくない」



「んじゃあ、俺と付き合うか?」



「いやだぁ・・・って・・え?」



「俺、のこと前から好きだった」



「升・・・・」



「その升ってのやめろよ。俺は秀夫だよ」



「秀ちゃんがいい♪」



はいつのまにか笑ってた。



「はずかしーなそれ」



「かわいいじゃん?」


がいいならいーけど」



「そのってのもヤメ。がいい」


「名前で呼んでいいってことは、付き合っていいってこと?な、?」





は疲れたのか、ソファーの上で寝てしまっていた。




「出会えてよかったよ。俺、と」




その言葉だけが、部屋に響いた。






06.2.19
一応主人公と秀ちゃんはなんでも話し合える、友達だったという設定w