「ねぇ・・基央?」





「ん?」




「地球ってさ、何が中心でまわってるんだろうね」








君中心で世界は廻ってる












日頃からは不思議なことを聞いてくる。



なんで卵は丸いの?とか


宇宙の先には何があるの?とか。




普段誰もが日常思わないことばかり。

そんなところがのかわいいところで、考えてる姿が愛しかった。







「んーなんだろう軸が・・・」



とにかく本で読んだことを行っても無駄。

は別の答えを求めてる。


「難しいのは分からないからさーほらこの前言ったじゃん?宇宙の先には巨人がすんでるんだよとか。そんなくらい簡単にさー」


「うーん」



と俺は黙る。


弾こうと思ったギターを置いて、タバコに火をつける。






その間は、何気なく置いている地球儀をぐるぐる回していた。







そして俺はとっさにいい考えを思いつく。





「んーあれだべ」



「何?何?」




「きっと中心で廻ってるんだべ」





とっさに考えついたこと。

他の人がきいたら笑ってしまうような答えだけど、

は真剣に聞いてくれた。






「え?そうなの?」



「だって地面とか動いてる気しないだろ?」



「うん」




「ってことは・・・中心で地球が動いてるんだべ」




「じゃあ・・・基央は寝てる時とか動いてるの?周りとか」




「さぁ。寝てる時記憶ねぇし」





なんてますます未知の世界。






「じゃあさー私が死んだらどうなるの?基央とか。中心をなくしちゃうよ?」






そうやって真剣に考えてた

の目には涙があふれていた。

きっと大丈夫だと俺はを抱きしめた。






「本当??」



「ああ。みんなどうにかするって」




「じゃあ大丈夫だね」










そう言っては笑った。

その笑顔が見たくて考えた嘘。

それなら許してくれるかな?








「と言うか博識だね基央は」




「そっか?」







そうやって今日も世界は廻ってる。












06.3.28
今日も世界は廻ってた。