へたな俺の歌だけど聴いてくれる?



今頃への気持ち歌にしてもだめなのは知ってるけどさ。












君の声









このドアを開けたらは笑顔で出迎えてくれた。


きっと今日もそうだろうなんて考えてしまう。


は天国への階段を上っていったのに。









弾きなれないギター片手に、笑いあって泣いた時思い出す。





どれだけの時間一緒に過ごしたか分からなくなって



がいなくなったこと信じられなくて



1人部屋に閉じこもっていた。



そんな俺をは救ってくれた



「大丈夫だよ」と。





そう声が聞こえたような気がしたから。




今、ようやく来れたの住んでいた街。





藤くん、ヒロにギターを教えてもらい俺は歌えるまで練習した。








ガチャ。




「ただいま」



なんて言ったら、


「おかえり」



なんて返事をしてくれたけど。





今日は先客がいたみてーだ。





「チャマも来たんだ」



藤くんはにこっと笑う。




「おう。今日はの誕生日だから」




「生きてたら、26歳だべ?」








俺はその言葉をスルーして、ギターケースからギターを取り出す。





「弾くべ?」



「俺の歌へてぇけど大丈夫かな?」



は聴いてるべ。天国で」








俺の声は届いてるんだ?


普段ベースしか弾かねぇ俺だよ。




また「愛してる」って聞かせてくれよ。




今すっげーに惚れてるからよ。



なぁ聞かせてくれよ。の声を。




なんであの時車に引かれたのか教えてくれよ。





なんでもうこの部屋には何一つの物がねーんだよ。



もうこのアパートも次の人が来るんだぜ?







そんな想いを歌った唄。




自然に涙がこぼれてた。




藤くんはそんな俺を黙ってみてくれていた。






を思い出なんかにしたくない。




きっと俺のこの胸で生きる。




なぁ?俺だけに聴こえるように言ってくれ。




「愛してる」










そしてまた今日もを想う。











06.3.22
初の死ネタ。
やめようと思っていたけど、アンケートで死ネタは大丈夫ってかたが
多かったのでやっぱり載せることにしました。