そして俺とは、あの時と同じように無断で二人早退した。



自転車に二人乗りで。今日は目的地が決まってるから



今日はどこに行こう?なんて聞いたりしない。








Goodbye








「あの時以来だね」




「だってヒロとばっかり話してるから」




「ごめん。だってヒロがね異常に話しかけてくるんだってば」




なんとなく理由が分かったりして怖かった。



そんなお昼下がりの今日。



の家に近づくたびに泣いていた時のことを思い出す。



そう、あの時のことを俺はまだ聞けずに居た。



「また考え事してる?」



「あぁ・・ゴメン」



「あ!藤くん前」



「え?」




と言ったときには遅かった。

前には女の人。

俺はその人をひいてしまった。



しまった。





「大丈夫ですか?」



俺は慌ててその女の人の元に駆け寄る。




「あ・・大丈夫ですから・・・・ごめんなさい」




と謝る彼女。


顔を見ると高校生くらいだった。






どこかで見たことある顔。









「あれ・・・基央じゃん?」





ほら。




「あ・・・ゆり?」





ゆり。



俺の元彼女。



どこかへたしか転校したはず。




「久しぶり」



「転校したんじゃなかったっけ?」



「7月にここに戻ってくるの。だから下見に」







「あの・・誰?」



が横から話しかけてくる。


ちょっとだけの存在を忘れてたような気がした。



「俺の元彼女」




そうだから今は終わってる。



終わってるんだ。







「あの時のことは・・・・誤解だから」




そうゆりが言った。


思い出したくない。




でもどこかでまだ引きずってる俺が居た。





「じゃあ、また」





そう言ってゆりはの家と別方向へと歩いていった。





「あっ、ごめんな」




「うん。大丈夫だよ」




もう一度自転車を立ち上げ俺はペダルをこぐ。


















「まだ・・・・好きなの?」














の言葉。




「まさか、昔のことだべ」






昔のことと思いたい自分とまだ引きずってる俺がそこにいた。



にはそう言ったけど、それ以上は何も言えばいいか分からない俺は





無言で自転車をこいでいた。







06.4.8
なんて言葉にしていいかが分からない。