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「藤くん?気付いてる?ってか大丈夫?」
「藤くんって・・」
「あのね、ヒロがそー呼んでやれって言ったから。ダメかな?」
「全然大丈夫。そっちの方がいいな」
「でしょでしょ?」
今俺は君に恋してますか?
Goodbye
いつもの昼休みのいつもの屋上。いつもづくしの今日
ゆいがバンドに入ってから2週間。
あの唄は歌うことに決まった。というか決めた。
ゆいが歌ってた。今日もまた明日も歌う。
「あのね、今日プリン焼くからうちに来ない?」
思ってみれば久々な会話。
ヒロとばっかり話してるから。
「マジ?」
「うん。今日放課後練習ないでしょ?」
「ねぇよ」
と後ろからの声。声の主はヒロだった。
「ゆい俺も行きてぇ」
「あ・・・うーん・・藤くんは?」
「俺は別に」
んなわけねーだろ。
ゆいと2人の方がいいに決まってるだろ?
「やりぃ!手料理食べてみたかったんだよなーあとさこの前貸したCDいつでもいいから」
「うん。あの曲めっちゃいいね」
「んだろ?」
「んで3番目の曲がさー・・」
「あれだろあれ・・」
俺はヒロにその場を譲り屋上を出ていこうとした。
「藤くん!!どこ行ってるの?」
そう言われて振り返ると小さなゆいがこちらをみていた。
どうやらヒロはまだ屋上のさっき話していた場所らしい。
「別にどこも行かねーけど?」
「嘘」
「だって2人にしかわかんねー話じゃんアレ」
「ごめん」
下を向いてゆいは謝っていた。
すっげー可愛くて、ここじゃなかったら俺抱きついてたかも。
「ってか・・嫌なのヒロ?」
小声でゆいは言う。
「あいつプリン食べねーだろ?」
違う。本当は嫌なんだ。二人がいいんだ。
なんでその気持ち隠してんだろ俺。
「分かった。じゃあ呼ばない」
ゆいはにこっと笑ってヒロのところへ走る。
ヒロの顔はものすごくショックを受けた顔だった。
ゆいがこっちに走ってきたときにヒロが俺をじーっと見ていたことは
忘れたいと思う。
06.4.4
「さぁ行こうか?」