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彼女に会ったのはたしか5月ごろ。


まだ風が優しかったことを覚えてる。




Good bye






彼女は毎日一人屋上で歌を歌ってた。
彼女の身長は150cm前半くらいなのに、それに見合わないくらいの声を。



俺は4月になってから聞き始めた(盗み聞きww)


チャマたちにそのことを話すと、



「バンドのボーカルに入れようぜ」




となり、現在は屋上の階段で待機中。



「~~~~♪」



彼女は歌いだす。いつもの声で。



「よっしー行こうぜ」



チャマが屋上のドアを開ける。




「おじゃましま~すと」



彼女はこっちを向き顔を赤くする。



「ま・・・まさか聞いてた?」



「そのまさかです♪」


なぜかチャマはハイテンション。


「あ~っとえ~っと・・・」



「直井由文です」


「増川弘明」


「藤原基央」


俺らは自分を指差しながら自己紹介。今日はちなみに升秀夫(なぜかフルネーム)はお休み。



「ごめんなさい。よく分からなくて。とくに藤原くんは同じクラス・・だよね?」



「同じクラスだけど?」


まぁ、こうなるとは前々から分かっていたけど、ちょっと悲しい。



「んで・・・君は?」


ヒロが言う。


「私は萩野ゆいです」


ペコリと頭を下げる。最初は真面目ッ子かと思ってたら意外にカワイイ。


「んで、今日言いたかったのは俺らのバンドに入ってほしーわけ」


単刀直入なチャマ。



「ぇ・・・?」


「ごめん。俺4月からずーっと萩野の声聞かせてもらってました」


といってもまだ1ヶ月。



「マジ?ハズイ。けどさ・・・よく分からないんだよね。藤原くんたちのこと」



えへへへ・・・と萩野は笑う。



「別にいいけどさ。う~ん。色々話してからならいいよ」


「メアド交換ってのはどう?」


チャマはポケットからケータイを取り出す。


「あ、うん。いいよ」


俺たちはメアド交換をした。


昼休みの終わりのチャイムがなる。


ヒロとチャマは「次あの怖いやつだから、さぼれねー」と屋上を後にした。




俺と萩野2人が残った。


「それじゃあ、行きますか?」


萩野がよいしょと立つ。



「サボろう?」



「ぇ?」


「だから、次の授業サボろう?」



君のこといっぱい知りたくて。言い出したのはその言葉。




「あ・・うんいいけど。あたし初めてだなぁ~」



「ドキドキするね」と萩野は元の位置に座る。





俺と萩野は二人っきりで屋上に残った。


微かに吹いてた風が俺の髪をなびいた。




06.2.20
初連載!!
藤くんはどーなるのでしょうか?(聞くな