「ねぇおきてよー。ご飯できたよー」
「ぬぉ?」
「なんて顔なんさー。ヒロ可愛いよ」
AM11:00
そんなを見つめてられる週末の今日。
コーヒーのいい匂いがしてきて、「俺ら夫婦だったな」と笑う。
そう俺らは結婚して3ヶ月目の新婚ほやほやカップル。
「のほうが可愛いよ」
「こんな髪ぐちゃぐちゃで起きたままなのに?」
「髪とか関係ねーし」
俺はの後ろから抱きつく。
は「キャッ」と言ってベットに倒れこんだ。
「前髪上げてんだなー」
「可愛いでしょ??秀ちゃんのおでこと、どっちがキュート??」
「んー秀ちゃん」
「えーあたし秀ちゃんに負けちゃうの??」
はぷーっとほっぺたを膨らまして下目ずかいで俺にそう聞いた。
もう食べちゃいたいくらいは可愛くて、ずーっと見つめていたくなっていた。
「あいつはーでこ広いしーぴかぴかだしー。がでこピカピカだったら困るだろ?」
「へー!!じゃあ今度触ってみようかな」
「だーめっ。の可愛い手が触っちゃダメなの」
「ヒロのけちーんーだっ」
はいじけてそっぽを向いてしまっていた。
「嘘だって嘘!!秀ちゃんに聞いてみなよ」
「わーい今度触ってみるね」
このままをずーっと抱きしめておきたくて、ずっとそばに置きたくて。
仕事なんて行きたくなくて、一人ぼっちにさせるのが怖くて。
「?」
「何なに?」
「寂しくない・・?」
「大丈夫だってば。さっご飯ご飯」
はすっと立ち上がった。
このままを離したら、もう二度と戻ってこないような気がして
俺はまたぎゅっとを掴んだ。
「今日変だよ?ヒロー。私はー大丈夫って。分かってて結婚したんだし」
「そーだけど・・・」
「こんなこと話さないでさ、今日を楽しもうよ。今日を」
は「ねっ?」っとこっちを向いた。
は俺よりすっげー大人だって思った。
そして「今日でヒロと離れるわけないでしょ?」と俺の心を読んだように
笑った。
06.5.7